車輪文壺 しゃりんもんつぼ
高34.7cm 径30.7cm 13世紀前半(鎌倉時代) 珠洲市立珠洲焼資料館蔵
大ぶりな車輪状の文様を刻んだ板で叩き、器面を埋めつくしています。同様の叩き模様の壺はほかに知られていませんが、車輪ないし菊花文は、珠洲焼の押印文でよくみられる意匠です。本品は中世墓から掘り出されたもので、残念ながら3分の1ほどが失われ、底は元から打ち抜かれていたと伝聞しますが、中世の蔵骨器(ぞうこつき)でそうした例はあまり聞いたことがありません。ちなみに、装飾壺は蔵骨器として発見される例が多いため、専用につくられたとする説もあります。