綾杉文叩壺 あやすぎもんたたきつぼ

高38.0cm 径31.7cm 14世紀前半(南北朝時代) 珠洲市立珠洲焼資料館蔵

綾杉文は、珠洲焼で初期から一貫して見られる叩きの技法です。珠洲焼の叩きは、上下方向に一列ずつ叩きながら一周するという特異な技法です。この技法を利用し、一列ごとに叩き板の角度を変えることで叩き目をジクザク文様にしています。初期はていねいに角度を変えてしっかりとしたジグザグ文様にしていますが、時代が下るにつれ、左下がりの角度がだんだん浅くなり水平に近づいて、階段状になっていきます。本品は14世紀中頃の珠洲焼の最盛期で、量産がもっとも進んだ時期です。バランスよく整った良品ですが、綾杉の角度に若干崩れが見えて雑になってきていることが伺われます。

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