櫛目袈裟襷文壺 くしめけさだすきもんつぼ
高33.7cm 径25.6cm 13世紀後半（鎌倉時代） 珠洲市立珠洲焼資料館蔵
一般的な中壺と趣を異にする、ロクロで挽いたかのようなスマートな形状をしていますが、胴下部に残る叩き目から、叩壺であることがわかります。櫛歯具を用いて上胴に荒々しい斜格子、中胴に波濤と波しぶきを連想させる三帯の連弧文（れんこもん）と直線文をかけ合わせた大胆な構図で器面を飾り、さらに口縁端にも波状文を施しています。櫛目を多用する珠洲焼においても、これだけ縦横に駆使した装飾壺は珍しく、珠洲独自の装飾壺として名高い逸品です。
