研磨大壺 けんまおおつぼ
高39.2cm 径40.4cm 15世紀前半(室町時代) 珠洲市立珠洲焼資料館蔵
能登の旧家の伝世品で、かなり使い込まれたため口元は手擦れでテカリが出ています。口頸が短く厚いのは、蓋の収まりをよくし、頻繁な開閉にも耐える強度を出すためのようで、この時期に散見される口縁形状です。珠洲焼草創期に渥美短頸壺(あつみたんけいこ)の影響を受けて、これと似た壺をつくっていますが、その系譜につながるものではないようです。肩に細線3本と太線1本の、意味ありげな刻文が刻まれています。