叩大甕 たたきおおがめ
高60.0cm 口径64.0cm 14世紀前半(南北朝時代) 珠洲市立珠洲焼資料館蔵
木製結桶が普及していない中世において、大甕は貴重な大型容器でした。しかし大甕を焼ける大型の窯は全国でも限られ、珠洲窯でも一度の焼成で鎌倉時代初期は10個、室町時代で20個程度しか焼くことができませんでした。本品は14世紀の最盛期に量産された、珠洲焼の典型的なタイプの大甕です。口縁と底は厚く頑丈につくられていますが、胴の薄い部分は8mmほどしかなく、大きさの割には軽量に仕上げられています。